東京都は、カスタマー・ハラスメント防止条例の4月施行を前に、カスハラの具体例などをまとめたガイドラインを策定しました。厚生労働省のマニュアルを参考にカスハラを15に分類し、より具体的に、どのような事例がカスハラに該当するかを示しています。
条例では事業所に対し、「カスタマー・ハラスメントを受けた就業者への配慮、カスタマー・ハラスメント防止のための手引の作成その他の措置を講ずるよう努めなければならない」と規定しています。ガイドラインでは、事業者が行うべき措置の詳細も示し、相談窓口設置や現場での初期対応の手順などを挙げています。
具体的な事例では、就業者への精神的な攻撃が認められる例として「就業者や就業者の親族に危害を加えるような言動」、「多数の人がいる前で就業者の名誉を傷つける言動」など4項目を紹介しています。
威圧的な言動の例には、「就業者に声を荒らげる、にらむ、話しながら物を叩くなどの言動」、「就業者の話の揚げ足を取って責め立てること」、「就業者の話を遮るなど高圧的に自らの要求を主張すること」が該当します。
さらにカスハラ対策を推進するため、今年度中に、事業者や業界団体が現場でカスハラ対策を行う際の対応フローをまとめたマニュアルを作成する予定です。事業者が手引きを作成する際の拠り所とするため、都は「ひな形」となる共通マニュアルを作成。マニュアルではカスハラの発生場面別に対応方針を示し、たとえば電話による長時間の拘束が発生している場合、「〇〇分以上やりとりが続いている」など、適切な対応時間の目安を設置した上で、「堂々巡りの状況が続いた場合、対応を打ち切る」といったルールなどを設けることが望ましいとしています。